- いつも薄い水出し茶になってしまうけど、茶葉の量が少ないから?
- 茶葉は何時間で取り出せばいいの?
- おいしい水出し茶の正しい作り方を教えて!
水出し茶は、茶葉と容器と水があれば、簡単にできます。
でも、失敗してしまう多くの人が次の3つのうちどれかをやってしまい、水のように薄くなったり、渋い水出し茶になったりしてしまいます。
よくある3つの失敗ポイント
茶葉をちょっとしか入れない
茶葉を水に浸している時間が長い
カルキ抜きをしていない水道水を使う
お茶販売のプロが、正しい水出し茶の作り方とよくある3つの失敗ポイントを解説します。
年間1,000人以上接客するお茶の販売員
日本茶検定1級
この記事を参考に水出し茶を作れば、失敗することがなくなり、甘くておいしい水出し茶ができます。
さっそく作り方をチェックしたい方は、おいしい水出し茶の作り方 をご覧ください。
水出し茶作りによくある3つの失敗ポイント
作り方の紹介の前に、水出し茶を作る際によくある3つの失敗ポイントを紹介します。
1つでも当てはまるものがあると、甘くて旨みのあるおいしい水出し茶ができませんので、チェックしてください。
失敗ポイント1:茶葉をちょっとしか入れない
茶葉は多いくらいがちょうどいいです。
※1リットルの水に大さじ4杯の茶葉
茶葉の量が少なすぎると、水のようなお茶風味の飲み物になってしまいます。
水出し(低温抽出)なら、甘みや旨みがたっぷり抽出され、渋みがほとんどでません。
多すぎても、真緑のしぶ~いお茶にはならないのでご安心を。
思い切ってたくさん使いましょう。
失敗ポイント2:茶葉を水に浸している時間が長い
茶葉は、半日(12時間)以内に取り出してください。
茶葉はとてもデリケートで長く水に浸すと、風味が悪くなったり、渋みが出てきます。
せっかく時間をかけて作った水出し茶がまずかったらショックですからね。
失敗ポイント3:カルキ抜きをしていない水道水を使う
水道水を使う場合は、必ず「カルキ抜き」を行ってください。
水道水を10分くらい沸騰させるか、1日放置(汲み置き)することで、カルキはなくなります。
カルキには、お茶の香りを減らしたり、お茶の甘みを邪魔したりする作用があります。
カルキの役割は、浄水場から各家庭に運ばれるまでの間、きれいで安全な水を維持するためのものです。
蛇口から出てしまえば、カルキは不要です。

カルキ抜きのやり方は、水道水はカルキ抜きをするで紹介していますのでご覧ください。
おいしい水出し茶の作り方
それでは、さっそく作り方を見ていきましょう。
準備するものは茶葉、水、容器だけでOK
準備するもの |
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作り方 |
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※茶こし付き容器がない場合は、お茶パックを使ってください。スーパーや100円ショップで販売しているものでOKです。
作り方は、これだけです。
あとは、3時間以上待つだけです。
寝る前に準備すれば、朝にはおいしい水出し茶が完成です。
出来上がったら、必ず茶葉を取り出してください。
茶葉は、半日(12時間)以上水に浸していると、風味が悪くなったり、渋みが出てきます。

保存期間は冷蔵庫で2日間まで
保存は冷蔵庫で行い、2日以内に飲んでください。
水出し茶は、2日過ぎたあたりから茶色く濁りだします。
この「濁り」がお茶の酸化というもので傷みのサインです。
酸化した水出し茶は、風味がなくなり、渋くすっぱくなります。
傷みのサインが出ている水出し茶はおいしくありませんので、思い切って捨てて、新鮮でおいしい水出し茶を作りましょう。
おなかが弱い人は、作ってから4、5日の水出し茶を飲むとおなかを壊してしまうかもしれませんのでご注意!
夏の暑い日に屋外へ持ち出すときも注意してください。
30℃以上の場所での放置は傷みやすいです。その日のうちに飲みきるか、飲みきれず余ったら捨ててください。

水出し茶の日持ちや保存方法については 「水出し茶の保存期間は2日間。」 で詳しく紹介していますのでご覧ください。
お水の注意点と選び方
お水の選び方は、水出し茶の味を大きく左右する大切なポイントです。
作り方は間違っていないのに、お水選びを間違えただけで、甘みや風味のないまずい水出し茶になってしまいます。
ここからは、誰でもできるお水の注意点と選び方を順に紹介していきますので、チェックしてください。
おすすめは、手軽にカルキ抜きができる浄水器
自宅に浄水器がある人は蛇口をひねってそのまま使ってください。
もっとも手軽でおいしいお水で水出し茶を作ることができます。
もし、浄水器がなく浄水で水出し茶を作りたい、という人は、不純物をろ過してくれるポット・容器タイプのものや蛇口に取り付けるタイプの浄水器もあります。

水道水を沸騰させてカルキ抜きをする
手間がかかっても、お金をかけずに自分の手でカルキを抜きたい!という人はやかんやケトルで沸騰させてカルキ抜きを行ってください。
カルキ抜き①:やかんで5分沸騰
やかんやお鍋に水道水を入れて5分以上沸騰させてカルキ抜きしてください。
沸騰中は弱火で、フタを開けておくとカルキが抜けやすくなります。
カルキ抜き②:ケトルや電気ポットで沸騰
多くのケトルやポットには「カルキ抜き機能」がありますので、機能を使ってカルキを抜いてください。
カルキ臭がなくなりおいしい水で作ることができます。
沸騰後に自動停止するタイプでもカルキ抜きは可能です。
自動停止後に3回電源を入れなおし(電源ONはすぐでもOK)、再沸騰を繰り返してください。そのあと、30分ほどケトル内で保温をさせてください。
「再沸騰」+「ケトル内で保温」でカルキ抜きができます。
ケトルやポットは保温力が高いため、沸騰後も高温がキープされそれだけでカルキが抜けていきます。

ミネラルウォーターなら軟水を選ぼう
市販されているミネラルウォーターには軟水と硬水がありますので、必ず【軟水】を選んでください。
下のようにペットボトルのラベルに【軟水】と書かれているものを選んでください。
※硬度「0~80mg/L」の水が【軟水】です
硬度が高い水は、口の中に入れたときにゴロっとするような舌触りがあったり、苦みを感じたりします。
硬度が高い「硬水」はお茶の水としては向いていませんので使わないようにしてください。
さっぱりとした口当たりの軟水は、日本人の口との相性がよく、昔から飲まれています。
そのため、市販されているペットボトルやウォーターサーバー、水道水のお水はほとんどが軟水です。
ただし、海外産のミネラルウォーターの一部に硬水がありますので、購入のときは、念のためラベルの硬度をチェックしてみてください。
毎回ミネラルウォーターを買うのはお金が掛かりすぎるな...という人は、スーパーの無料(もしくは格安)の提供水を活用してください。
関東であれば、次のようなスーパーで取り扱いがあります。
・西友
・イオン
・LIFE
・オーケー
・マルエツ があります。
茶葉は水出し茶専用じゃなくていい
水出し茶を作る茶葉は、普段使っている茶葉でOKです。
最近、テレビ番組で「水出し茶は手軽で健康にいい!?」などの内容が取り上げられています。
その影響もあり、家庭でも水出し茶を作る人が増えてきて、「水出し茶専用の茶葉」も販売されるようになってきました。
しかし、水出し茶専用といっても、特別な茶葉を使っているのではなく、中身は普通の煎茶です。
短時間で飲めるように茶葉をカットしたり、細かくされているだけです。
茶葉を細かくすることで、水と接触する面が増え、茶葉の成分が30分くらいで抽出されます。
細かくすることは自分でも簡単にできますので、次で紹介します。
誰でも簡単!自分で「水出し茶専用の茶葉」を作る方法
茶葉を手で軽く揉んで細かくするだけで、自家製の「水出し茶専用の茶葉」ができます。

※上の写真は、手で細かくしたあとの茶葉です。一部大きなものも残っていますが、写真のような細かさになれば十分です。
お湯でお茶を作って氷で一気に冷やす「冷茶」の作り方
- お茶が飲みたいけど、熱いお茶の気分じゃない
- 今日は夏日。急なお客様へお茶を出したい
- 食事の時にみんなに分けると自分の分が足りない
そんなときには、「お湯でお茶を作って、氷で一気に冷やす『冷茶』」を紹介します。
水出し茶と違って甘みだけではないキリっとした渋みもあるスッキリしたお茶ができます。
準備するもの |
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作り方 |
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※80℃のお湯とは・・・沸騰したお湯をお茶碗などの大きめの器に1回移し替えると約10℃下がります。2回移し替えれば80℃くらいの温度になります。
グラスへ入れるときは、少しずつ氷へ当てるように入れてください。
耐熱タイプのグラスであれば問題ありませんが、グラスによってはいきなり熱いお茶が入ると割れてしまうことがありますの注意してください。
急なお客さま、いますぐ冷たいお茶が飲みたいというときでも、手軽にできるからぜひお試しください。
さらに詳しい内容は すぐに冷たいお茶を作る方法! で紹介していますのでご覧ください。
水出し茶の作り方のまとめ
お茶は、水で作るとまろやかでおいしい甘みと旨みあるお茶になります。
渋みが少ないから家族全員で飲めるのもうれしいですね。
最後に、水出し茶づくりに大切なことをまとめましたので、チェックしてください。
- 茶葉はたっぷり入れて、12時間以内に取り出す
- 日持ちは、冷蔵庫で保存して2日以内
- 水道水はカルキ抜きをする
みんなでおいしい水出し茶を飲んで心を満たしてください。